那須での生活が終わった。
牛の乳を搾ったり、うんこ掃除をしたり、重い荷物を担いで山に運んだり、
そんな生活はもうここ東京には無い。
The Worst Job Ever.
まさに絵に描いたような3K仕事である牧場の仕事は、正直に言えば「最低」の仕事だと思って足を踏み入れた。言い方はとても悪いが、底辺の人たちの底辺の仕事だとさえ思っていた。そんな理不尽な環境に身を置けば、何らかの人間的な成長があるだろうと、そうタカをくくっていた。
色々な事情で予定よりは短くなってしまったが、長い時間を牧場で過ごし、仲間が出来、仕事が出来、生活が出来、1つの大きな経験を終えた今、行く前に考えていたことは大きな間違いであったと気付かずにはいられない。
The Greatest Friends Ever.
僕がいたあの山奥には、人と組織がどうしたら本当の人間関係を築くことが出来るのかということを誰よりも知る師匠がいたし、自分の人生にリスクを冒してでも自然と人間の関わり方を世の中に問い直そうとする仲間がいたし、インターネット環境もろくに整っていない山の中から世界中を行き来して日本人が成すべきことを成し遂げようとする74歳のスーパーマンがいたし、他にも沢山の素晴らしい人たちとの出会いがあった。
東京に戻り、牧場で過ごしたあの経験を通して、一体何を学ぶことが出来たのか、明確な答えをここで述べることは出来ない。ただし、あのお世辞にも良いとは言えない環境の中で、「最高」の仲間たちと出会ったということは紛れも無い事実である。
Great People is Everywhere, Even in The Place You Ignore.
素晴らしい人たちはどこにだっている。
普段僕たちが見ることさえ無い、縁遠いい場所にだって
素晴らしい人たちはいるということである。