日常生活の中では、誰もが消費者であり、お客様です。
お客さんである僕たちは、なんでこんなものを買う必要があるのか、買う価値があるのか、買う理由があるのか、そんなことを当然のように知りたくなります。
服を買うなら昨日とは違う素敵な自分と出会いたいし、本を読むなら昨日よりも少しは知的な自分になれることを期待するし、政治家に投票するなら昨日よりも明るい明日に希望を持ちたいと思うわけです。僕たちは、消費者としてそんな当たり前の思いを持っています。
それなのに、生産者(供給者)となった途端に、消費者である普段の自分を忘れて、組織や企業や政治の理論だけで何を作るのか、どのように作るのか、どのように売るのかが決められていきます。
"Why should I (customers) care about you?" -Carmine Galloモノを作るにしても、サービスを提供するにしても、政治を行うにしても、そのアイデアを広める為に答える必要がある唯一の質問は、「なぜお客さんがあなたに耳を傾ける必要があるのか?」であるとCarmineは指摘しています。
"No one care about you!" -Seth Godin
あの製品はきっと例外だし(多分違う)、あなたのサービスはきっと例外だし(多分違う)、明日のスピーチだってきっと例外です(多分違う)。僕たちは心のどこかで、自分たちは気にかけてもらえると思ってしまっています。だけど、本当にそうなのだろうか?消費者としての自分は、あなたの今持っている製品や、サービスや、アイデアを本当に必要としているのでしょうか?
Now time for answering this question.
もしも、あなたがたいした製品も、際立ったサービスも、驚きのアイデアも持っていないのであれば、スピーカーとして人前に立って失敗したって大した問題では無いかもしれません。でも、もしも、あなたがそれらを手にしているのなら、きっとこの最も単純な質問に答えるべき時です。僕たち消費者が知りたい事は、それらがいかに優れているのかではなくて、彼らにとっていかに優れた商品であり、サービスであり、アイデアであるのかということなのだと思います。
Can you answer the simplest question? "Why should I care about you?"
photo credit: Travelin' Librarian